宮下 遊『彼方~宮下遊ワンマンライブ2022~』
2022年7月10日(日) Zepp DiverCity(TOKYO)
ネットシーンを中心に活動している宮下遊が7月10日、ZeppDiverCity(TOKYO)で「彼方~宮下遊ワンマンライブ2022~」と題した3度目のワンマンライブを開催した。チケットはソールドアウト。全18曲を約1時間半で歌い上げたライブでは、3月に発売した4枚目のアルバム「見つけた扉は」に収録した曲を、制作したミュージックビデオと共に披露。7月8日に配信スタートしたばかりの新曲「Decorative」も歌いファンを喜ばせた。約3年ぶりのライブを振り返った宮下は「すごい景色を見せていただきました。みんなの応援があってここに立つことができています。どんどん大きなところでやれたら良いなと思うので、応援よろしくお願いします」と感謝していた。
両脇にギリシアの神殿を思わせる柱が設置されたステージ。上部はドレープ状の布がかけられ、特別感を漂わせていた。3年ぶりのワンマンライブは、1年ぶりにリリースしたアルバム「見つけた扉」の1曲目に収録した「幽火」で妖艶に幕開け。会場のあちこちで歓迎するようにサイリウムが揺れていた。
最初のMCで宮下は「僕が想像した以上の景色になっている!」と興奮。想像を超えたという会場の様子を前に「柄にもなく緊張しています。何回かライブをして、(これまでは)緊張しなかったけれど、(今日は)何を話しているのか分からないくらい緊張しています。まだ手探りだから、つたない感じになるかもしれない…」と困った表情に。「ちょっと歩き回っても良い?」と語ると下手から上手へと動き、ファンに手を振ってあいさつし、自らを落ち着かせていた。
不敵な笑い声を上げた「FREEEZE!!」では、ステージから伸びた赤や紫色のレーザーが、その色を変えるように、自在に歌声を変えていく。中盤に演奏した最新曲「Decorative」では、ステージ前に引いた紗幕にミュージックビデオを上映。周囲の目が気になる臆病な少女が、「好きだ」という気持ちを信じて踏み出すと、世界がカラフルになっていく様子に、ファンが息を飲んでいた。
モノクロの観覧車が映し出された「ヲズワルド」では、冒頭でタバコを吸うシーンを再現。ドラムの前に腰を掛け、声を引っくり返しながら歌った終盤には、「おいで」とあおり会場を歓喜で包んだ。人気テレビアニメ「プラチナエンド」のエンディングに起用された「降伏論」では、美しい高音を響かせ聴覚はもちろん、数々のミュージックビデオで視覚も刺激し続けた。
サポートを務めたギターのマロン菩薩、ベースの松ヶ谷一樹、ドラムの杉崎尚道のインストゥルメンタル演奏の間に、上着を脱ぎ登場した宮下。疾走感あふれる「Ayka」から「麒麟が死ぬ迄」へと続けると、揺れるサイリウムが一瞬でピンク色に変化。ステージも会場も一体になって、ライブの空間を楽しんでいた。
メリーゴーラウンドのようにファンシーな曲、お化け屋敷のようにおどろおどろしい映像、ジェットコースターに乗っているような疾走感があるギターなど遊園地を巡っているような感覚で楽しませた時間は終盤へ。人間の残酷な部分を描いた「キルマー」では、不穏な空気を漂わせていた。
グッズとして販売したTシャツに着替えて登場したアンコールでは、手をひらひらとさせながら「輪廻転生」を披露。メンバー紹介の場面では、ベースの松ヶ谷が「こんな素敵な機会にご一緒出来て光栄です」。杉崎は「こんなに素敵な所で演奏させていただき、感謝しています。次はもっと大きなところになったら良いな」。マロン菩薩は「こんな大きな所で出来て嬉しいです。さらに大きな所で出来たら嬉しいなと思っています。頑張ります」と意欲を見せていた。
最後の1曲を前に「やっと緊張が解けてきた」と肩をすくめた宮下。「今日はすごく楽しくやらせていただきました。すごい景色を見せていただきました。僕は13年か、14年ぐらい活動をしているのですが、それはみんなの応援があってこそ。みんなの応援があって、Zepp DiverCity(TOKYO)に立つことが出来ています。(前に)観に来たことがある会場に、自分が立っているなんて信じられなくて、今でもフワフワしています。どんどん大きな会場でやれたら良いなと思うので、みなさん応援よろしくお願いします」と語ると4人を大きな拍手が包み込んだ。
鍵盤をなぞる女の子の両手と、ピアノの音を同期させた「パラサイトピアノ」では、狂気のピアノが鳴り響く中、気迫あふれるシャウトで圧倒。パフォーマンス後に「今日はありがとうございました。またどこかでお会いしましょう」と呼びかけた。
自身最大のキャパシティで行ったライブを記念し、7月16日(土)に、サポートメンバー3人と共にアフタートークイベントをオンラインで開くことが決定している。
SET LIST
01. 幽火
02. エンドゲエム
03. ラストリヴ
04. FREEEZE!!
05. Coquetterie dancer
06. ギャラリア
07. p.h.
08. Decorative
09. 迷妄、取るに足らなくて
10. ヲズワルド
11. 降伏論
12. Ayka
13. 麒麟が死ぬ迄
14. ハチェット
15. キルマー
16. 再生
ENCORE
01. 輪廻転生
02. パラサイトピアノ
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